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僕は、水沢さんが不良娘二人にからまれていた話をした。その現場に、僕が役に立ちもしないのに出向き、二人の攻撃対象が僕に移った。その際、水沢さんが二人の心を読むことで、不良同士を喧嘩させる結果となったことも話した。
水沢さんの承諾も得ずに、加藤に話していいのかどうか分からないが、話しておかないと事態の説明がつかない。
僕の話を聞き終えた加藤は、
「あ~あ、純子、やっちゃったんだね」と、残念そうな顔をした。
「やっちゃったとは?」
「純子の不思議な能力のことは大体知っているんだけどさ、それを誰かに言ったりしたらダメだよ、って、いつも純子に言っていたんだよ」
「そうだったのか」
だが、水沢さんは、父親の心の中のこと・・浮気していることを一家団欒の時に話してしまった。それが原因で父親の仕事が上手くいかなくなり、青山グループとの取引停止という結果となった。
そのことを水沢さんは加藤には話していない。水沢さんは、僕にだけ、と言っていた。
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