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「まぁ確かにすげー良く出来てるけど、ってかどうしたの」
俺が豚さんと見つめ合っている横で、何故か藤倉は目を押さえて天を仰いでいた。
どうしたんだろ。目に何か入ったのかな。
「あのー、藤倉?何してんの」
「へ?あぁごめんごめん、何でもないよ」
「そっか?」
漸くこちらを向いた藤倉は口元を押さえたままだ。どっかしんどいのかな。
と思うと、今度はスマホを覗き込んでにやにやしている。
本当に何なんだ。
「あー、やっぱ超かわいー…」
何だかすごく楽しそうだな。いつもたまにおかしくなるけど、いまいちこいつのスイッチが分からない。
「なぁ、本当に貰っていいのか?」
「うん。机の上とか良く見えるところに飾ってね」
「?…いいけど」
「壊しちゃ駄目だからね」
「壊さないよ」
「大事にしてね」
「…うん。えと、ありがと…?」
よく分かんないけど、あいつにもらった豚さんはとりあえず勉強机の上に飾ることにした。
勉強中によく目が合って気が散るけど、可愛いから良しとする。
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「とりあえずこの可愛すぎる澤くんは待ち受けにして、と…駄目だ。スマホ開く度に俺の心臓がもたないかもしれない…」
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