その光は幻(映画蛍の墓に敬意を込めて)

1/1
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

その光は幻(映画蛍の墓に敬意を込めて)

蛍の光は、ふわふわと頼りなく舞う。 ーーそんな光のように 俺は今も後悔のカルマから抜け出せないまま、 あの子の見た情景を渡り歩く。 俺はバカだった 幼い妹を死なせてしまった あの子が生きていた、一瞬一瞬の風景が、鼻の奥に蘇る焦げ付いた匂いとともに近づいてくる。 米軍の飛行機の音が、 今もまた、 蛍を見て笑った君の声を重く押し潰すーー
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!