第6章ー2

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* 止んだはずの小雨がパラパラと降り始めていた。 窓を打ち付ける雨音が心地よく響くのは、腕の中いる彼女のせいかもしれない。 布団に包まれながらこちらを向く彼女。 隠した顔が赤く染まって、可愛いと思った。 つややかな髪に触れ、真っ赤な唇に触れ、柔らかな肌に触れた。彼女が僕よりも5つも年上だと思えないのは、きっと彼女の童顔のせいだろう。 片手に彼女を抱きながら、窓を打つ雨音を聞いていた。その音は、簡単なメロディーに聞こえた。 「この音、あれに似てるね」
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