6人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
*
止んだはずの小雨がパラパラと降り始めていた。
窓を打ち付ける雨音が心地よく響くのは、腕の中いる彼女のせいかもしれない。
布団に包まれながらこちらを向く彼女。
隠した顔が赤く染まって、可愛いと思った。
つややかな髪に触れ、真っ赤な唇に触れ、柔らかな肌に触れた。彼女が僕よりも5つも年上だと思えないのは、きっと彼女の童顔のせいだろう。
片手に彼女を抱きながら、窓を打つ雨音を聞いていた。その音は、簡単なメロディーに聞こえた。
「この音、あれに似てるね」
最初のコメントを投稿しよう!