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雪さんと男の子と一緒に、洗ったばかりの真っ白なシーツを洗濯竿に干す。
真っ白なシーツが太陽に透けて見えた。
今、僕が見たものは、きっと桜の物質が連れてきた幻だ。
けれど、たしかに未来にあるものだと思った。
きっと彼女は、その幸せを守るためにこの場所にやってきたのだ。
それならば、僕はこの現実を受け入れよう。
ボロボロになりながらも、時空を超えて、僕に会いに来た彼女の愛を受け止めたい。
「わかった、訊かない」
僕たちは、きっと、未来で出会えるはずだ。それが運命というのなら。
「でも、必ず見つけてね」
「どっちだよ」
弱気になった彼女の言葉に笑いが漏れた。
「約束だよ」
「わかった、約束」
「隆哉……愛してる」
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