プロローグ 堕天の誘惑

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そのまま、ゴロンと横になりながら、私とは反対の方向を向いてしまった。 「ねぇ……」 カンパの背中を見ながら── 「良かったら……私が番になろうか?」 「はい?」 「私がカンパ君の番になろうか?って言ってるの。カンパ君だって、その方が気楽でしょ? 私なら、どんな失礼ぶっこかれても我慢できるし」 「あんたね……」 カンパが心底呆れたと言わんばかりに、鼻で笑った。 「言ったでしょ? 番になれるのは、アルファだけって。あんた、ベータでしょうが」 「ベータだけど、ほら。私、アルファ擬きとか言われてるし。もうちょっとしたら、アルファに変わるかもしれないし」 「……それは、確率的に低いでしょ。稀にそんなことがあるとは聞きますけどね」 「ほらぁ!! だったら、大丈夫だよ!!」 「何が大丈夫なんですか? てか、あんたの。その根拠のない自信はどこからくるんですか?」
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