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あの出来事から1ヶ月。俺は償いという比嘉くんのお世話を受けている。細かくルールを決めて月・木・日曜に晩ごはんのみを作ってもらい、掃除と洗濯は週に1回してもらうことになった。
「おかえりなさい佐倉さん」
「た、ただいま」
今日は会社から帰るのが遅くて、晩ごはんは比嘉くんの家でご馳走になる。
遅くなるのはメールで連絡してあったので、俺が帰る時間に料理が出来るよう調整していてくれたらしい。比嘉くんの部屋に入ると、とても良い匂いがした。
「今日はハンバーグにしてみました。好きですよね?」
「あ、うん。ありがとう、いただきます」
「……やっぱりもう少し付け合わせとかを……」
「いや、本当にこれで大丈夫だから」
メインに野菜スープとご飯。最初は何品もおかずが用意されていたので、負担をなくしてもらうのに減らしてもらった程だ。男の一人暮らしにはこれくらいでも良いくらいだ。
ハンバーグを口に運ぶと、肉汁が口の中に溢れた。
「うまー……本当に料理上手だよね」
「ありがとうございます。佐倉さんの口に合うみたいで良かったです」
顔に似合わず……なんて言えないが、彼はかなり世話好き家事好きでまめである。
「あ、今日のスイーツなんですが、今日はスイートポテトです」
「スイートポテト!? ありがとう!」
家事をやってもらってる上に、お世話の日は比嘉くん手作りのスイーツが食べられる。最初はとても申し訳なく思っていたが、今じゃこれがかなり楽しみだ。
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