プロローグ

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プロローグ

部活終わり雨が降りだした どんどん強くなっていく 予報は雨だったっけ? 靴箱の所で途方に暮れた 濡れて帰るしかないか 横から折り畳み傘を差し出され、条件反射で受け取った そのまま動けずにいた 貴女は何も言わずもう一本持っていた傘をさして帰っていった 何故すぐ追いかけて礼を言わなかったんだろう 花柄の傘だけが目に焼き付いた 顔も名前も知らない貴女を雨が降るたび思い出す そうは言っても花柄の傘をさした後ろ姿だけ 傘をさす女子を見ると貴女かもと思うけど声なんて掛けれない 折り畳み傘は僕の鞄に入ったまま 結局貴女が誰なのか分からずにいる
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