19人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
プロローグ
部活終わり雨が降りだした
どんどん強くなっていく
予報は雨だったっけ?
靴箱の所で途方に暮れた
濡れて帰るしかないか
横から折り畳み傘を差し出され、条件反射で受け取った
そのまま動けずにいた
貴女は何も言わずもう一本持っていた傘をさして帰っていった
何故すぐ追いかけて礼を言わなかったんだろう
花柄の傘だけが目に焼き付いた
顔も名前も知らない貴女を雨が降るたび思い出す
そうは言っても花柄の傘をさした後ろ姿だけ
傘をさす女子を見ると貴女かもと思うけど声なんて掛けれない
折り畳み傘は僕の鞄に入ったまま
結局貴女が誰なのか分からずにいる
最初のコメントを投稿しよう!