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「ここじゃ人目につくから、俺んチくる? 今日は母さんが朝からケーキ焼いてたから、食べれるよ」
「……行く」
私は鼻をすすった。
「よし、決まり!」
祐樹はカバンからハンカチを出して、私の涙を拭ってくれた。
「……祐樹、こないだの告白のことなんだけど……」
「それは、また今度でいいよ。今は考えられないだろ? 俺の気持ちは変わらないから」
「……ほんとに?」
「うん。だって、好きになってからもう何年も経つのに変わってないんだもん。ここまできたら、もう変わらないだろ」
祐樹が当然のように言う。
「ありがとう」
正直今は、祐樹の言う通り考えられない。
祐樹を男の子として見るところから始めなくちゃいけないし。
でも、こんな人が彼氏だったら、私は毎日笑って過ごせるかもしれない。
「ケーキ楽しみ」
そう言った私を、祐樹は愛おしそうに見つめた。
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