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――ポチャ。ポチャ。
水の滴る音がする。
外は雨が降っているのかもしれない。
私は動かないからだを捻って捩って、なんとか起き上がろうと試みるが、ダメだった。
この誘惑には抗えない。
そして私はもう一度、目を閉じて眠りにつくことにした。
「おーい。おーいったら」
ポチャ。ポチャ。
水の音に混ざって声がする。
誰かを呼ぶ声。
少年のような声だ。
きっとこの雨の中、黄色いカッパを着て、水色やら赤色やらのレインブーツを履いて。
そこらを跳ねてまわってるんだろう。
元気があっていいな。
私にもかつて、そんな過去があったのだろうか。
そんなことを考えると、次第に意識が薄れていく。
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