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真剣な面持ちで答える美咲を見た緋鷹は、仕方がねえな、というように肩をすくめた。
強引に連れていこうと思えばできるが、美咲の意思を尊重するらしい。
緋鷹は目を細め、何もない虚空に向かって言う。
「おい、坊主いるか? 出てこい」
坊主という緋鷹の呼び声に、現れたのは佐波だ。
「いいか、坊主。冬弥はこんな状態だ。おまえが美咲を守れ』
緋鷹の命令に、佐波は心得たとばかりに無言でうなずく。
『それで、私は何をするのだ!』
と、孤月が腰に手をあて興奮した顔で前に出る。
「おまえ?」
緋鷹は孤月を見下ろした。
「おまえは……適当に遊んでろ」
『な、なんだと! わたしは遊んでいろというのか!』
そして、緋鷹はもう一度冬弥に視線を戻す。
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