再会

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再会

 3年前の事だ。  僕と直井は、会社の先輩と共にこの地に旅行に来て、先輩を亡くした。  原因は、遭難先でお世話になった里の方々の忠告を聞かず、夜の雪山を強引に1人で下山しようとした先輩の自業自得だったが、それでも先輩を亡くすと言う最悪の結果に、その後もバタバタしてしまい、お世話になった民宿の女将さんや里の方々に、まともなお礼も謝罪も出来ていなかった。  あれから僕や直井にも後輩が出来、お酒の席での話しだった。  酔いも手伝い、僕と直井が少し大袈裟に昔話を語ったのか、後輩の宮嶋が興味を持ち出した。 「そんな綺麗な人がいたんですか!?なら、今度僕も連れてって下さいよ!」と…  そう言う宮嶋の懇願に嫌とも言えず…あの時の謝罪とお礼もしなければ…と、僕達は再びこの地を訪れた。  T県K郡神降村…【御山の幻姫】と言われる、水無月芹さんと言う巫女の住む里だ。  以前泊まった民宿に予約を入れ、3人で訪れる。
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