アルビノの夢

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アルビノの夢

 気が付くと、私は薄暗い部屋の中で座っていた。  水漏れがしているのか、どこからか水の滴る音が反響し、頭上ではジジジッと裸の電球が点滅を繰り返している。 「おはよう」  突如かけられた声に反応する。  目を向けると、見事なまでの艶やかな白い髪と宝石を埋め込んだような真紅の瞳を持つ小柄な少女がいた。  アルビノと言ったか。その肌も驚く程に白く、まさに目を閉じた時の瞼に映る光のように眩しい。 「……おはよう、ございます」  久々に口を開いたのか、出た声は少し掠れていた。  だがしかし、少女は私の言葉に満足したようで、うっすらと微笑んで頷いてくれる。  それだけで、私の心は満たされたような気持ちになってしまう。……彼女とは、初めて会うはずなのに、どうしてだろう? 「自分のことはちゃんと意識できているか?」  …………? 何となく、その聞き方に違和感を感じた。 「えっと……はい」 「そうか。じゃあ、今が何時なのか、君の名前は何かを教えてくれ」  違和感の正体が分かった。彼女の質問は問いかけというよりも問診に近いのだ。  彼女は私を知っており、その私に異常がないかを探るためにこの問答はあるのだろう。     
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