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「エリザベス、おまえとの婚約を破棄する」
そう言ったのはこの国の第一王子の、ウィリアム・ダグラスだった。
私は、エリザベス・フィンセント公爵令嬢、筆頭貴族の第一令嬢、つまりは王族と同等に位が高い家の長女である。
第一王子の婚約者でもある。
今、破棄されてしまったが。
この王子は私が婚約した幼いころから、命を狙われていたことなど、気にもしない。
犯人を見つけようともしてくれない、王様も取り合ってくれない、犯人が分かっているからだろう。
脳裏に浮かぶのは、私を狙った暗殺者から私を庇って死んだ護衛の姿。
泣き叫び、自暴自棄になり自殺も考えた、自分のせいで誰かが死んだ、そのショックは計り知れないものだった。その時私の仲で何かが変わった気がする。
何度、王に婚約破棄を言ったか、父は王に何度も言ってくれたが、聞き入れてはもらえない・・・それ処か、終いには呪いの指輪まで嵌められ、逃れなくなった。
父は大暴れしたが、国一番の強者と言われた父だったが、軍部の皆に抑えられ参事は免れた、事実上私は王家に人質になったようなものだった。
パリン!
今その呪いの指輪の石が割れた。
これで婚約による縛りが無くなった!
ああ、そうだ王子も成人した王族、その言葉は呪いを解くことが出来るのか。
「ミシェルをいじめて、暗殺まで企てたろう?お前を国外追放とする」
パリン!
もう一つの呪いの指輪、私の行動を制限する、王都内から出れなくする呪いの指輪の石が割れた。
ああぁ・・・これで私は自由だ。
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