狂犬の愛情

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映し出されたのは、荒い画像だったが寝室で、置いてあるもののうそ臭さからすぐにこれがなんだか分かった。 「ちょっ……、これAVですよね!?ここ、学校ですよ!」 帰りたい。今すぐ家に帰ってしまいたかった。 目の前では制服を着ているのにやけに、厚化粧の女性があっという間に脱がされていた。 高校生には正直刺激が強すぎる。 顔が真っ赤になっている自覚もあったが、顔ごと目をそらしながら、なんとかここから抜け出せないか思案する。 「さーて、コタちゃんの琥太郎の様子を確認しようかな。」 両腕を難なく絡めとられてしまい抱き込まれる格好となる。 ごそごそとシャツを引っ張られ、捲り上げられる。 「な、……やです。」 暴れて転んで、そのまま四つんばいになって這う様にして逃げる。 けれど、ベルトをつかまれのしかかられる。 「オレなんか、かまっても意味ないですよ。」 半ば叫ぶみたいに言う。 「やだなあ。俺のすることに意味があったためしは無いよ。」 あははと朗らかに笑う副長先輩の目はどろりとにごっていて、まるで死んだ魚のようだ。 何があったのか知りたくも無いけれど、これ以上一緒にいるわけにもいかなかった。 体をねじってがむしゃらに暴れていると、ドンという音とともにうす暗い室内に光が差し込む。     
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