<誕生日>

2/3
858人が本棚に入れています
本棚に追加
/181ページ
さすがに、二人で駅前を歩くのは誤解があるかもしれないと話して、居酒屋の入り口で待ち合わせた。 当日、緊張していた。 もし来なかったらどうしよう。そんな不安もあった。 入り口に着いたら誰もいなくて、本当に彼は来るのかな。と心配した。 「おまたせー!」 「来ないかと心配しました。」 「おれ、敬語つかわないから!田中さんもそうしてね」 雰囲気のいい、カップルシートに通された。 「おー!めっちゃカップル仕様!」なんて彼は笑っていたけど、私はドキドキした。 「今日は田中さんの誕生祝いだから、コース以外の食べたいものも頼んでいいから、たのしんでね。」 そんな風に優しくされてなんか照れくさかった。 「そうそう。おれ、酔っぱらう前に渡すね。プレゼントです。」 「えー!すごい!準備してくれたの???」 とても驚いた。まさかそこまでしてくれると思ってなかった。 「田中さん、仕事中は髪結んでるし、おれのあげたやつ着けてくれたら嬉しいなとおもって」 「なんか高そうなブランドだよ!」 「ヘアゴムにしては高かった」 笑いながらそういっていた。 二人して随分飲んで、二件目に行こうと誘われた。 二件目で彼は 「次、ディズニーランドに行こう」 「え!そんなよく知らない同士で行っても大丈夫かなぁ」 そんな話を繰り返していた。     
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!