みーつけた

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みーつけた

 雨が降っていた。  しとしとと降り続く雨の夕暮れ。  辺りはもうすっかり暗い。白い街灯の光を水たまりが反射している。そこに落ちた雨粒が白い光をいくつにも散らし、キラキラと路面を光らせていた。  そんな街灯に照らされた道を、一人の男が歩いていた。  まだ若い。見た目は青年と言った年頃だ。  長身痩躯。猫背気味。ウェーブのかかった少し長めの黒髪が目元にかかっていたが、気にするふうでもない。口元に柔和な笑みを浮かべ、鼻歌を奏でている。  よれよれのジーンズに襟のよれたポロシャツ。防水加工されているらしい合皮の靴で水たまりを選び、軽い足取りで踏みながら歩いている。  青年はその外見には不似合いなピンク色の花柄の傘を差していた。
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