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安西悠子の章 雨の日の恋
夢を見ていた。
楽しい夢。
警察学校が休みの日。吉祥寺によく足を運んだっけ。
気分は女子大生気分。
まだ抜けなかった。
時間がたっぷりあった女子大生は……。
いつしか、多忙な警察学校の研修生になった時の夢だった。
同期の池村君と、よくふざけあったっけ。
少し抱いた恋心。
それどころじゃなかったな。
いつしか別々の人と結婚して家庭を持って
私は、一児の母になったんだっけ。
そんな現実がぼんやり浮かんだ時、赤ちゃんの泣き声が響いた。
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