妬きもち、それぞれの形

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カーサセグレートに向かう車の中で、話題になったのは、悠真と手塚君の事。 「悠真から聞いてたのと、印象違ったな~。 なんかもっと、冷たい感じなのかと思ってた。 熱い人だったね、手塚君。」 「悠真くんは間違いなく、メロメロなのは、いつもの会話でわかるんだけど、結構…手塚君の方も…ね。 二人とも想い合ってるよね。」 「フフっ…そうだね。」 鉄平君と河野くんの会話に、穏やかに笑いながら、大介さんが相槌をうった。 運転をしながら、どこか嬉しそうに微笑む横顔が綺麗で、うっとりと見つめてしまう。 「章太郎、そんなに見たら、溶けちゃいそう。」 そう言うと、左手を伸ばして俺の目元を撫でた。 「あっ、ごめんなさい。」 「ちょっと!二人とも!イチャイチャしないで!」 そう言う鉄平君達だって、後部座席で手を繋いでる。 本人達は、見えていないと思ってるんだろうけど、絡め合う指までしっかり見えている。 「鉄平、羨ましいのか? 河野くん、鉄平は手を繋ぐだけじゃ、足りないみたいだよ? いいよ。キスしてても。 章太郎は、後でゆっくりね。 きっと今日あたり…悠真と手塚君も、前進するんじゃないかな…。」 確信するように大介さんは言い、「二人は…」と考える様子をみせ、「初々しくて良いよね。」と笑った。
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