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遥翔side
目を覚ますと僕は知らない部屋のベッドに寝ていた。
「目、覚めた?」
ドアから入ってきたのは玲君。僕は無意識のうちに後ずさっていた。
「ごめんね遅かったよね。ごめん…」
後ずさる僕を見て何回も謝ってくる。
「ち、ちがう。玲君のせいじゃない。僕はあいつらにいろんなところを触られて、もう汚いんだよ。玲君にはもう…」
本当は大好き。今すぐにでも触れてあいつらに触られたところを上書きしてほしい。
「そんなことない!遥君の意識じゃない。あいつらにどうされようと遥君は俺のものだ。それとも俺らの関係はそんなもので切れるようなものだったの?」
「僕から誘ったんだよ。もちろん僕だってそんな脆い関係じゃないって思ってる。でも、玲君のためなの。」
玲君は何か言いたげで苦しそうな顔で僕を見つめてる。そうだよ、これでいいんだ。
「そう。分かった。ごめん今日は帰ってほしい。」
家まで送るように言うといった。よく考えるとここから家がどれだけなのかもどの変なのかもわからなかったので頼むことにした。
いくら僕から言ったことだったとしても辛かったから頭を冷やしたかった。
最後に見せた苦しそうな顔が頭に張り付いて離れない。運転手さんもいるのに僕は声を上げて泣いていた。
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