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「え、もういいの」  最大限にエアコンを効かせているのにひどく暑い。悠介の部屋のベッドの上で、悠介はTシャツ一枚、透に至っては一糸まとわぬ姿だった。  予想していたよりもはるかに細く華奢な体はどこもかしこも白くて綺麗で、ただ見ているだけで激しく劣情を煽る。だというのに今透は、うつ伏せになり、腰を高く上げた状態で悠介に背を向けていた。つまり、大事なところが全て丸見えの状態である。 「うん、大丈夫。早くほしい……」  知らなかった。あんなに抜けていて、繊細で、控えめで、大人しい透が。こういうときは、こんなにも大胆だなんて。  悠介はコクリと生唾を呑み込み、痩せた透の体で唯一柔らかそうな尻朶を両手でそっと掴む。悠介の唾液で濡れた手で透が自ら解したそこは、しっとりと濡れている。酸素を求める魚のようにはくはくと苦し気に開閉し、歓喜のときを今か今かと待っているかのように見える。  初めてなのにうまくできるかなとか。本当に痛くないのだろうかとか。透が受け入れるほうで良かったとか。色々なことがよぎったが、横向きにした顔を枕に伏せた透が言った一言で全てが弾け飛んだ。 「悠介くんが、ほしい」 「……っ!」     
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