5章 ドラマ

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「さあ。計画って言っても、殺人でしょ? 突然殺したくなったかもしれないし。わかんないなあ」  紗川は肘をつき、彼女を見つめる。 「では、質問をさせてください。女優はマンションの中で殺されましたか?」 「マンションの中で殺されてるよ」 「そうですか。質問は以上です」 「それだけでいいの? どんなふうに殺されたのかとか、そういうのは?」 「この場合、殺し方は関係がありません。刺そうが締めようが打とうが、なんでもいい。貴女も死因は全く話していなかった。だからこれはこの話では重要ではないのでしょう」 「重要じゃないって……死んでるのに」 「犯人当て――つまりクイズじゃないですか。気楽に答えて構わないでしょう?」  紗川はフレームレスの眼鏡のブリッジを軽くあげるとほほ笑んだ。 「ああそうだ、せっかくだからもう一つ伺ってしまってもいいでしょうか」 「なあに?」 「彼らのそれぞれの身長、大体でいいので教えていただけませんか?」 「マネージャーが2メートルくらい。ADが165くらい。同僚は160くらいかな」 「ありがとうございます」  紗川は彼女の耳元に唇を寄せた。  愛の言葉を告げるように、心地の良い声で、甘くささやく。 「では犯人は、カースタント……貴女の同僚です」  女が目を見開き、やがて静かに顔をしかめた。
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