2人が本棚に入れています
本棚に追加
/52ページ
快晴の屋上で
「僕、もうすぐ死ぬんだよね。」
昼休みの屋上。
雲に一つない快晴の下で親友の小室 祝雅は、ニコニコと表情を変えることなく衝撃の告白をした。
俺はというと、飲んでいたソーダが驚きによって変なとこに入り、むせまくっていた。
「は?祝雅、今までそんなこと言わなかったじゃん。」
「うん、言わなかったよ。」
「高校から体育とか休んでたのも…?」
「うん、病気のせいでドクターストップ。」
祝雅は俺の質問攻めにも一切表情を変えなかった。
ましてや、手元で得意の折り紙を折りながら話していた。
俺は質問をやめない。
「…なんで秘密にしたのさ。いつから?」
「んー、高校入ってすぐかな。だって心配するでしょ?幸ちゃん。」
幸ちゃんとは、俺、加賀美 幸太のことだ。
俺と祝雅はお隣で小中高とずっと一緒の幼馴染みだ。
茶髪でふわふわ髪にたれ目のエンジェルフェイスでマイペースの祝雅。
それに対して、黒髪ツンツン頭のつり目ではっきりした性格の俺。
そんな対照的だった俺達だったが不思議と気があった。
なんでも秘密を打ち明けられる仲だと思ってた。
少なくとも俺は…
高校入ってすぐおか…もう、高校3年生だぞ…
最初のコメントを投稿しよう!