パラレルワールド

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「舞子、おはよう! 今日も雨だね」  同じクラスの博子が昇降口で傘を畳みながら微笑んだ。 「おはよう! ほんと、よく降るわ」  彼女の名は笹木舞子。月山学園高校1年生。 「もう雨、見飽きたよ」  博子はうんざりした表情で靴を脱ぎ呟いた。  舞子は、「ふうっ」と、ため息をつき濡れた傘をくるくる巻いて閉じた。 「どこへいれようかなっ」て、隙間を探し傘立てへそっと入れたのだけれど、博子の気持ちがよくわかった。なぜなら7月に入って雨は3週間降り続きとんと青空を眺めてなかったから。   ところで月山学園高校は明後日から夏休みになる。この時期は熱中症のニュースが多少流れ、蝉の声も聞こえてた。しかしながら何か異変が起きただろうか……。舞子は何となく嫌な予感がした。
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