第1話「私は裸鞭打」

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見つかってしまった! バレたのだ! 『盗撮』が!! バレた!だからと言って何が悪いんだ!! 私が生きていく為には必要な事なのだ!! …と言ってもどうしようもない。 現代社会では『盗撮は犯罪』である。 故に罰せられる。 私の人生は終わってしまう。 故に逃げた。 走って。走って。走って逃げた。 終わりたくない。 私はただ、女の裸を見たいだけなのだ。 逃げて。追い詰められて。 踏切。カンカン鳴っている。 電車が通る。 だが、捕まらない為にはリスクを負わなければ。 私は踏切くぐって、線路の上に立つ。 逃げねば…!!  そ  の  時  だ  っ  た  ! ド ッ ワ ァ ァ ア ア ア ! ! 私は電車に轢(ひ)かれた。 死にたくない。 そう思いながら…。 ・・・・ 私は目を覚ます。 空の中に居る様だった。 下が雲で上が青空だ。 そして私は宙に浮いていた。 そしてどこからともなく声が聞こえる。 「ボンジュール。」 「君は死した。」 「でも君の強い思念に惹かれてね。」 「君にチャンスを与えようと思うんだ。」 私。 「チャンス…ですか?」 「一体どんな?」 声。 「転生。別の世界に生き返れるって事さ。」 私は…。 ゴクリと、ツバを飲み込む。 生き返れる。別の世界。 確かに…。 それはチャンスだ。 声はこう言う。 「ま、どんな世界でもって訳じゃあないけどね。」 「君達の世界流に言うなら『ファンタジーな世界』さ。」 「剣と魔法の『幻想的な世界』だね。」 私は更にゴクリとツバを飲む。 ファンタジーな世界と言うとアレか? 湖で美しい女が水浴びをしていると言うあの世界か?? 声が答える。 「フフ…。そうだよ。」 「『あの世界』だ。」 私は驚く! え?心で思った事が!? 声は言う。 「転生させる事が出来るんだ。」 「心ぐらい読めるさ。」
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