第3章 ワナを仕掛ける!

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 アリスとコウは素直に謝った。それで部室内の重たい空気が完全に一掃された。ほのかだから出来る芸当である。 「──姉さん、ありがとうね」  のどかがほのかに軽く頭を下げた。 「いいえ、どういたしまして」 「それで、姉さんはどうして部室に来たの? あっ、もしかしたら、今朝みたいに池口さんの容態のことで新しい話でもあるの?」 「違うわよ」  あっさりと否定するほのか。 「それじゃ、どうしたの? まさかわたしたちの言い合いの声が外まで漏れていて、わざわざ止めに来たとかじゃないわよね?」 「そうじゃないわよ。あなたたちの耳に入れておいた方がいい話があったから来たのよ」 「えっ、話って、どんな話なの?」 「でも、話をする前に、ひとつだけ言っておかないといけないことがあるんだけれど──いいこと、今のご時世、生徒たちのプライベートなことについては、いろいろとうるさいのよ。やれプライバシーの侵害だの、やれ人権侵害だの、本当にうるさいんだからね」  ほのかが珍しく養護教諭らしいまともな意見を述べた。 「うん、それは十分に分かっているから。それで肝心の話を聞かせて欲しいんだけど──」     
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