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「知らない。オレも初めて会う」
みつるは、その経緯をオレに説明しだした。
話によれば、今朝、突然お母さんがみつるにこう言ったそうだ。
──今日は、ホットヨガのお友達の娘さんと留守番しておいてね。中学一年生だから、気を使う必要はないから
みつるは、「うん? ああ」などと言って、話半分に聞いていたらしいけど、よくよく考えたら、それは困ると思ったらしく、オレを道連れにしたわけだ。
「な、たすく頼むよ」
手を合わして頼まれてもなあと思う反面、友達を裏切れない気持ちもある。
まあ、5時までに帰れば、ママにはなんとか言い訳できるか……。それから宿題をやって、6時までに風呂に入れば文句は言われないだろう。
「分かった。なら、今日は家に帰らないで真っ直ぐみつるの家に行くよ。それならいいだろ」
◇
こうして、僕とみつるは二人でみつるの家に向かった。日差しがまだギラギラする、午後3時の事だった。
みつるの家は小学校から10分くらいの住宅地にあった。ちなみにオレの家は、そこから更に5分くらい先の所にある。
オレたちは玄関ドアの前に着いてから、いつまでも中に入らずに、もぞもぞしていた。
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