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中学生になると、思春期というのか。みんなそれぞれ恋バナに花を咲かせるようになる。
勉強、部活、恋……。
どうでもよかった。当たり前に勉強をこなして、適当な文芸部で過ごす。毎日、変わらない日を送る。
私らしいと言えば、私らしい。
でも、それはより感情を殺していく。
友達も彼氏もいない。いじめられても気にしないから、いつの間にかそれもなくなる。
趣味もなくて、やりたいこともなくて、行きたい場所もない。
そして私にとっての事件が起こる。
中学二年。そろそろ進路を決めなければならない時期だ。私の母、担任との三者面談というやつがあった。
行きたい高校はあるのか。
やりたいことはあるのか。
将来の夢はあるのか。
立て続けにきた質問に、当然ながら私は答えられなかった。
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