第5章 醜い感情(如月side)

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桜木さんを家に強引に泊めた日から数日経ったが、少し違和感を感じた。 同じ部署で会えるのが嬉しくて何度か声を掛けたが、それとなく話を逸らされ書類を渡しに来る時も私と目を合わせないようにしている。 何でですか? どうして、避けたりするんです? 家に帰っても寂しさを感じるばかりで、桜木さんと一緒に眠ったベッドは何故か大きくて寒く感じた。 朝起きて貴方が隣りに居ないことに悲しくなるが会社で姿を見るだけでも良いかと思っていたのに・・・何で避けられる事に、こんなに胸が痛くなるんでしょうか。 前は頑張ってる後ろ姿を見るだけで満足出来ていたが、彼女に告白したあの夜から私の欲は大きくなって今となっては醜い物となっている。 その小さな身体を抱き締めながら眠りたい。 私の言葉に顔を赤くする姿を眺めたい。 白い首筋に私の物である印を刻み付けたい。 強引にでも奪ってしまいたい衝動を押さえ付け仕事に没頭するが、一通り終わってしまうと、また彼女の事が頭によぎってしまう。 こんなに、好きなのに貴方は私の言葉を信じてないんでしょう? 本気で・・・・・・心から好きなんです。
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