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夜鳥の鳴き声が深緑に響く。今にも何か出そうな予感。
何かがなんなのか、それが熊なら大丈夫。豹ならギリ大丈夫。幽霊、全然大丈夫。まあ、熊は出るけど、豹や幽霊の目撃情報はない。林務官をしているお父さんからの情報だから正確なはずだ。きっとミトも知っていて、夜の森にいたのだろう。
私が向かっている間に音は聞こえなくなっていた。もしかしたらもういないかもしれない。少し休憩しているだけだという淡い期待を持って、以前会った場所へ向かう。
茂る草木を避け、傾斜の緩やかな広場に足をかける。木々が点々と転がるそこに、人はいなかった。
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