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「うぅ……うっ……」
「俺達を冷酷集団だと思ってそうだけど、一部は合ってても役に立つ事もあるから相談……じゃあ、俺はこの辺で」
樹さんの慌てようで、死神中の死神達が近くに居るのが分かり、頭を離そうとしたが蓮さんはグッと力を入れている。
「何……してんの?俺の彼女に」
「いや彼女じゃないよね、勝手に言ってるだけで、でも珍しいな蓮がそんな態度なんて」
声で滋さんと八雲さんだと分かったが、これ以上蓮さんに迷惑をかけても申し訳ないので頭を離し涙を拭った。
「何なんですか皆さんで、今は休みで旅行に来てるんですけど」
「仕事が終わって俺達のチョコが誘拐された事を知り追って来たんだけど、滋はいつから来てたの?」
無言でこちらに歩いて来たかと思うと、腕を引っ張りベッドの空いたスペースに座り『デスフェイス』の死神……いや、滋さんに顔が引きつる。
「あのさ、自分の物みたいに思ってるけど現実を見たら?隣の百合ちゃんは殺される直前みたいな顔色の悪さだよ」
「そうだよ滋は今までのように気分転換で色んな女性と付き合ってればいいよ、あっ八雲もね」
「自分の株をあげたい気持ちは分かるけど、樹だってモテるんだから同世代のガキと付き合ってればいいだろ?」
いつも無言だが特に蓮さんは会話に入れてないみたいで、でもそこは気づかない素振りをし滋さん達のコーヒーを準備した。
「これは滋さん達の分です、先輩方にはお世話になってるので感謝の気持ちです、それ以上ではないのであしからず」
きっぱりと言い切ると一瞬部屋が静かになったが、皆人の話を聞かず図々しい態度はいつもの事だ。
でも辞めるかどうかの内容に一切触れてこないのは、助かるが逆に不気味だ。
「百合ちゃん、犬の世界の訪問が済んだら気晴らしにデートでも行かない?」
堂々と言われギクリとしたが予感は的中し、言い終わった八雲さんは、後ろから締め技を決められ必死に抵抗していた。
「ぐっ滋ぅ、貴様には大人の余裕がなさ…すぎる、百合ちゃんは優しい男が似あ…うんだよっ!」
交わした八雲さんには驚いたが、部屋の空気がピリピリして、先程と同じ位の居心地の悪さを感じてしまう。
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