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朝起きるといつも思う。
ここは何処、私は誰である。そう、私は自分の存在が分からない。
問うているのは私の過去。
悩んでいるのは過去の無い未来。
きっと、思春期の誰もが思う事とは違う。
私はコールドスリープして過去の記憶が無いのである。
カプセルの中のスリーピングビューティーとしてこの時代で生きる事にになった。
そう、コールドスリープした眠り姫である。
町の遺跡調査の時に郷土資料館の館長さんに偶然カプセルに入った私は発見された。
私は町の郷土資料館の館長さんに名前と住む場所を貰った。
貰った名前は『立華』である。
館長さんは独身であり、一軒家に独りで住んでいたので一緒に住むことになった。
館長さんの名前は岩国幾戸、幾戸さんと呼んでいる。
幾戸さんは大学を出て直ぐに郷土資料館の館長になったので、年はまだ20代中盤である。
私は町の谷澤高校に通う事になった。
転がりこんだ私の事を幾戸さんはどう思っているのだろう?
眠り姫と王子様の様にならないかなと思うこの頃である。
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