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出囃子に背中を押されて飛び出した俺たちは、観客を笑いの渦に引きずり込む。
ちょっと上等なカップめんを待つていどの時間で、観客の面白いという感情を爆発させるのだ。
芸人の芸は芸術の芸でもあって、俺もまた芸人の端くれだ。笑いの導火線に火をつけるのなんてお手の物なのだよ。
「はいどうも! 三鈷です!」
「角幡です!」
「「サンカクモクギョです!」」
「というわけでやってきましたよ決勝戦!」
「今回はじめて僕たちを見られるかたも多いと思いますので自己紹介させていただきますと、僕がツッコミの角幡と」
「ボケの三鈷です」
「僕たちツッコミとボケという類いまれなる斬新なスタイルでやっているんですけどね。コンビ名についての説明は三鈷くんお願い」
「サンカクモクギョは坊さんがロック調のお経のときに使用することで知られています」
「いや知りませんけど!」
「宗派があるんですね、六回苦しむと書いて六苦宗ですね」
「そんなん入りたくないわ!」
「六苦宗の坊さんはみんなモヒカンです」
「見たことないですけど!」
「ふだんは坊主のヅラを被っているんでね、きれいに継ぎ目を消してるだけで。お布施をするとこっそり見せてくれるんですよ」
「剃ってしまえめんどくせえ!」
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