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「あとさ、水落さんと会う約束してたじゃん? あれって結局何だったの?」
そして次から次へと説明の難しい質問を投げかけられるので焦る。
「大した用事じゃなかったです」
「だからその用事って何?」
「ちょっと飲みに付き合っただけというか」
「わざわざ二課まで電話して?」
「あの、怪しまれてるみたいですけど本当に何もないので。向こうも俺と話してて何か傷ついてましたし」
「まさかおまえ水落さん相手でもズバズバサバサバ課長に言うみたいに斬り捨てたの?」
人聞きが悪い。まるで辻斬りのように言うな。
「大丈夫です。そこまでではないです」
「あ、課長には辛辣だっていう自覚はあったんだな」
「わざとそうしていたわけじゃないですけど」
「俺幼馴染みっていなかったからわかんないけど、やっぱ遠慮がなくなるもんなんだな」
「一般的にはどうかわかりませんけど、そうなりやすいかもしれません」
「しかしそんなキャラでも許してくれるって、それおまえが可愛いからだよ」
そうですか、やっぱり俺が可愛いからですか。
とは流せなかった。
「はあ?」
「だってそうじゃん。俺とか他のやつらなら絶対むっとしてるはずだし、巧みに嫌がらせされそうだし。だけどおまえが相手だから『まあ仕方ないかな。そういうところが可愛いし』って思ってそうじゃん?」
「……」
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