第10話 愛人の作法

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第10話 愛人の作法

由美のお姉さんの結婚式に招待されたのには理由がある。 由美のお姉さんはとてもお(しと)やかで、あまり自分から前にでるタイプではない。 当然、友達も少ない。 ところが新郎は明るく積極的(一度、由美の家で会ったことがある)で、友達も多い。 同数の必要はないけれど、ある程度、新郎、新婦側で人数を揃えなければいけないので、よく家に遊びに行っていて、由美のお姉さんとも仲の良かった私たちも招待された。 気になるのは砂羽も招待されていること。彼女も時々遊びに来ていた。 砂羽は礼子や由美のような親友ではないけれど、友達として仲良くはしていた。 あの天真爛漫さは羨ましい時がある。過去に由美の彼氏の隆と付き合っていたし、今は私が付き合っていた幸司と付き合っている。 が、本人、全く気にしていない。 常に何の悪気も無いのだ。 まあ、それが判っている、つまり、本質的に悪い()ではない事が判っているから、私も礼子も由美も友達としては付き合っている。 今回も、結婚式に招待され単純に喜んでいる。大学でも何を着ていくか、や、白色の服はダメだとか、いう知識を披露して、色々話題を振り向けてきている。     
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