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それは、運命的であった。 バルンデール王国の公爵令嬢である シルヴィア・フィン・フランチェスカ・スタンフォードは、そう語る。 シルヴィアが6歳の時、王宮での第一王子のエドワード様の誕生パーティーがあった。 シルヴィアは、公爵令嬢という事もあり、エドワード様と婚約を結ぶことが望まれた。 それは、王家にとって とても良いことであった。 しかし、シルヴィアは、上から目線で 傲慢な態度をとる エドワードが 一目見た時から生理的に受け付けなかった。本能的に嫌った。 どんなに、顔が綺麗でカッコ良くっても、生理的に、本能的に無理な奴は無理である。 だが、エドワードは シルヴィアを気に入ったようだ。 シルヴィアが嫌がるほど、屈服させたくて 必要に追い掛け回す。 周りのみんなは、お可愛らしい…… なんて、思っていたが、 シルヴィアにとっては、最悪だ。 シルヴィアは 泣きそうになりながら エドワードから 逃げる。 人々の間をぬって、物陰に隠れて、机の下に潜って エドワードから逃げる。 だが、エドワードは 諦めない。シルヴィアを追い掛けて追い掛けて追い掛ける。 とうとう シルヴィアは 人にぶつかってしまった。 シルヴィアが その人にぶつかって 吹き飛びそうになっている所を その人は、シルヴィアを抱き締めて 怪我をしないようにした。 そうしてる内に シルヴィアの背後にエドワードがやってきた。 そして、シルヴィアは とうとう 泣き出してしまった。 必死にその人に抱き付いて エドワードから 離れようとする。 エドワードに向かって 「来ないで、来ないで、嫌だ、嫌だ」 と、泣き叫び続ける。 すると、周りの人々は、 「スタンフォード家のご令嬢は、王子様を気に入らなかったか」 と、苦笑いで済ませるはずだったのだが、 シルヴィアが抱き付いている 人がいけない。 バルンデール王国の若き宰相である。 彼は、とても優秀だが、優秀過ぎる上に 冷徹で、隙を見せず、老若男女 関わらず、皆から恐れられていた。 又の名を 氷の宰相 と呼ばれている。
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