男と女

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地球に住む人間、現時点で約70億人。 その中の3分の1には能力者と言って、現在にはいない幻の獣などと契約して、力を得て暮らす人達がいる。 その一人、法心彗(ほうしんすい)は出会って日にちが浅い男と気まずい空気の中、二人きりで食事をしている。 お店の中は男のお馴染みの店であるみたいで、個室へと案内され、密室の状態。 彗は男のことは知らないが、男は法心彗のことを知っていた。 例えば、彗の能力のこと。 この男と出会って1日過ぎて、相手が能力者なのかもわからないのにベラベラと話してもいない。 それに二人きりで話すこともこの食事が初めだ。 その男の名は黒羽卓偉(くれはたくい)。 アメリカからやってきた転校生。 サングラスをかけていている。 「彗ちゃん、美味しい?」 彗はうんと頷くだけ。 彗は黒羽卓偉のことを悪い男だとは思っていない。 男と女の二人きりという食事に慣れていないだけ。 「良かった」 黒羽卓偉は口元は笑っていた。 目はサングラスで見えない。 「さて、お互いの能力について話し合わない?」 相手から、話を持ち出してきた。 こういう経緯になった3日前の話。
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