12/23
170人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
 ぶわ、と陸王の灰色の毛が一気に膨らみ、緑金の中で瞳孔が糸のように細くなった。  反射的に頭を低くして迎撃の姿勢を取った瞬間、鳥居から霊力の塊が飛び出してくる。  それは陸王に目もくれず、桑原邸に向かって行った。  陸王はすぐに地を蹴り、中空で麒麟へと姿を変えて空を駆る。  それを暗がりに隠れて見つめる、一対の目があった。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!