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あとがき
拙作をご高覧いただき、ありがとうございました。
人生を、1日の時間や1年の季節に喩えることがありますよね。
例えば、働き盛りの時期は『真昼』だったり『夏』だったり。
夕方の『黄昏時』として、中年以降の老後を指すことがありますが、じゃあ日が沈んだ後の『夜』って、どんな時を指すのでしょうか?
更に、夜も夜、『真夜中』って、どんな時なんだろう……?
そんな疑問から生まれた、お話です。
この世に未練も恨みも残さずに、逝くことができれば――多分、それは幸せなことなのでしょう。
作中で雪乃さんが言ってますが、「強い想い」がこの世に霊魂を縛り付けるとしても、その「想い」は必ずしもネガティブなものばかりではないはずです。
人や物、場所に縛られて、この世に留まる霊魂の中には、雪乃さんのような理由のものもあると嬉しいなあと……希望を込めてみました。
多恵さんを留めた理由と、その背景は、雪乃さんほど呑気なものではありません。
少々重くもありますが、救いがあればと願って止みません。
折しも帰省など、遠く離れた家族や故人、友人などと顔を合わせる機会がある時期です。
この時期にご高覧いただけると、特に嬉しく思います。
あとがきまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
2018.8.12.
砂たこ 拝
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