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「バカ…達也…。男とキスなんかしたことないくせに…」 「当たり前だ。好きになった男はお前が初めてなんだぞ」 「バカじゃん…」 「うるせぇや…」    達也は一度、強く陽を抱いて胸を離した。  困ったように赤くなって「勃っちまった…」なんて言うから、ドキドキしてしまう。  苦笑いしながらトイレへ行った達也が、またロッカールームに戻った時、思わず呟いた。 「ぼくんち来る?」  浅はかだと後悔しても言葉は戻ってこない。  でも、このまま達也と別れたらもったいないような気がした。  ただそれだけ。  それでも、「いいのか…」と応える達也の声が低くて掠れてて色っぽかったから、ドキドキは止らなくなった。  二人して真っ赤になって俯いているのもおかしかったけど。
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