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>…じゃあ、こうしようよ。
>俺はこのまま雅と付き合い続けるんだ。
>で、暫くの間だけ
>井崎君に貸してあげる
>だったら安心だろ?
>不謹慎なことを言うけど、
>もし井崎君が亡くなったら
>雅を俺に返して貰う。
>それが何十年先になっても、
>俺は平気だから。
もしかして私が罪悪感を抱かないように
そう言ってくれているのかもしれないし、
そうでは無いのかもしれない。
いま確かなのは、
私は素晴らしい男達から
愛されたということだけだ。
ねえ芳、見てる?
私、笑ってるよ。
大丈夫、これからも私は生きていく。
今日も明日も明後日も、
前を向いて歩いて行く。
「井崎君、やっと返してくれたな。
もう雅のことは心配するなよ、
俺が必ず幸せにするから」
…そんな光正の独り言を、
私は笑いながら聞いていた。
--END--
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