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そろそろ僕は、お祓いに行った方が良いのかもしれない。
異世界で神事っていったら、教会?神殿?そもそも此方って、神様いるの?
壁を背に、周りを取り囲む筋骨隆々な男達と、美人なお兄さんを見上げながら、思わず現実逃避しています。
居るか分からない異世界の神様、ねえ、僕何かした!?
雑貨店の隣には、甘い匂いのする小さな菓子店。
思ったよりファンシーな内装の店内には、低めの棚に色とりどりな菓子が可愛らしく並べられている。
カウンターに座る店員さんや、可愛いラッピングのされた菓子を棚に並べている店員さんが、筋骨隆々なのは気にしな…いのは無理!何で皆揃って逆三角体型なの!?
防具を着けたアメフト選手の様なお兄さん達。勿論その防具は、自前の筋肉ですよね…。
フットボーラーの様な店員さんを気にしつつも、手早く店内を見回った。
隣の雑貨店と違い、こちらの菓子店は門から少々見にくい位置にある。早目に出ないと、またジアのお仕置きが発動するかもしれない。
初めて見る菓子には心引かれるけど、今回の目的はプレゼント用だから、無難な物を選びたい。
焼き菓子が多い中、キラキラとカラフルに陽を受けるガラスの様な菓子が目に留まる。
(飴、かな?)
菓子箱の中には薄い板形の物やサイコロ形の物、上の棚にはデフォルメされた動物形の物も置かれている。
それから、小さな瓶に入った丸い飴玉。
(ビー玉みたい。小さい頃、集めたな…)
クスリと思わず笑いが漏れた。
小さな瓶を手に取り、陽にかざしてカラリと揺らす。
そっと胸元のペンダントを服の上から撫で、レジカウンターに向かう。
何故かやたら一杯返って来た釣銭にあたふたしながらも、ラッピングをお願いした。
ヨーラムさん、いったい僕にいくら渡したの!?
早く此方の貨幣価値を教えて貰わないと…。
待つ間に、窓から少し見える門を窺っていると、後ろから声を掛けられた。
「ねえ、ちょっとアンタ」
振り返ると、そこには見知らぬ美人な男性…男、だよね?
「さっきからコソコソと不審な動きをしているけど、アンタちゃんと許可証持っているんでしょうね?まさか不法侵入者じゃ…」
「え!?」
まさかのここでも不審者疑惑!?
ハッ!こんな時こそ身分証!
「ぁ…これ!」
「何これ?こんな形の許可証、見た事無いわよ?」
ぇ、ぇええー!?ちょっ、ジアさん!?
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