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「なにが?」
お湯を沸かしながら返す。
「だって、見たでしょ?」
「〝見た〟って、なに?」
「手。あの人の肩に乗ってた手よ!」
「あぁ、見たよ。だから、訊いてあげなくては・・・〝仕事〟だ。」
「そうね。でもアイツは、自業自得よ。」
「それでも懺悔を訊くのが仕事だ。」
「はいはい。」
「じゃあ、迷える子羊を助けてくるよ。」
カップをトレーに乗せて聖堂に戻る。
男は、相変わらず俯いている。
「さぁ、お茶です。ゆっくりと話しを訊きましょう。」
「・・・妻と子は、俺の所為で死んだんです。」
「ゆっくり、話して下さい。」
「・・・俺は、最低な男だったんです。」
》 *
俺は、いちいち煩い親父が嫌でそんな親父にビクビクする母さんが目障りで悪い連中と連むようになった。
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