第二章・―二転三転―

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「え。地下牢へ、御二人で、ですか……?」  どうして彼が突然このような提案をするのか、意図が見えないランスロットが、意見を仰ぐようにアルカードに視線を遣る。 「カイ、今は罪人を閉じ込めてはいないとはいえ、国の秘匿である地下牢に二人で行くとは。……何か、考えがあっての事だろうな」  ランスロットにこれ以上彼と話させるのは無理だろうと、そう判断したアルカードが前に出て厳しい表情を向ける。  だが、肝心の彼はやけに涼しげな顔で、アルカードやランスロットの心配もどこ吹く風、といった感じで肩をすくめた。 「国の秘匿を暴くためではない。詳しい事情は後から話さねばならないのだが、絶対に悪用する訳ではないと誓う」 「……疑っている訳ではない。ただ、二人をそのような場所に案内するなどと」  地下牢と言えば、まぁイメージ通り国が定めた法律を破り、罪人と成り果てた人間が放り込まれる。言わば負の空気、感情がところ構わず渦巻く、あまり見て欲しくはない場所である。  そのような所に案内するだけでも気乗りしないというのに、現在進行形で国の危機に尽力してくれている最中の二人を行かせるとは、なかなかない事であった。  アルカード、ランスロットが躊躇するのも無理はなく、それでも諦める気がない彼が、更に言い募る。
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