119人が本棚に入れています
本棚に追加
/371ページ
「じゃあ私と一緒に逃げてくれる?二人で逃避行だなんてロマンチックでいいでしょう?大神君」
カリストは笑みを浮かべながらもう一度俺のことを誘う。
「そうだな・・二人でいろんなところにいけたらいいな」
「ええ、ろくな暮らしでは無いでしょうけれど、大神君と一緒なら幾分かマシかもね」
カリストは立ち上がり、元々カリストの寝泊まり道具を持ってきていたリュックを持ち上げる。
「マシね・・そうかよ」
カリストはすぐ出発するかの様なそぶりをみせる。
「じゃあ今すぐ出発しま・・」
「一つだけ、いいか?カリスト」
俺はカリストを一度静止し、お願いをする。
「何?大神君」
「こんな時に何言っているんだって思うかもしれないけれど・・最後に自分の生きた街を見て回りたいんだ」
最初のコメントを投稿しよう!