夢見る少女

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南場(なんば) 美香梨(みかり) 桜月中高一貫校に通う中学3年生。 見た目は、メガネを掛け暗く面倒な性格。 幼い頃から、私は王子様やお姫様が出てくるおとぎ話が大好きでぇ。 その中でも『シンデレラ』は得にお気に入りで、その本を、穴があくほど読んだ。 未だに、大切に持っているくらい憧れて夢見ていた。 そんな時、私の運命を変える出会いが起きる。 桜の木が、歩道を囲むように並びゆらゆらと、風に揺られ花びらが舞う春。 6年生になったばかりの私は、学校がえりの道で、初めて同じクラスになった1人の同級生の男の子に、通学帽を取られ困っていた。 なぜ、そんな事をするのかが、わからなくって泣きそうになりながら。 「ねぇ、返してぇ」 その男の子は、帽子を持った手を顔よりも高くあげ振り回しながら、はしゃぐ。 「やーだねぇー、返して欲しかったら、取ってみろー」 男の子から、取り返そうと手を高く伸ばし、あとちょっとって所で、帽子に届きそうになると男の子は取らせまいと、つま先で背伸びをする。 そのとき、男の子がよろけ後ろから歩いて来た中学生の男子と、ドンとぶつかった。
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