【31】永遠《とわ》に/154.夕焼けの教室

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 芝山に言われたことを思い出す。  俺と彼女は、(あるじ)(しもべ)。確かにその方法なら、美桜に会えるかもしれない。 ――“従順なる我が竜を(あるじ)の名において召喚する”  これは俺がテラを呼び出すときに使った魔法。  教室の床に魔法陣を描いていく。  濃い緑色に光るそれは、ひとつひとつ、文字を丁寧に刻んでいく。当然文字は日本語で、明朝体で。美桜に馬鹿にされそうだ。レグル神と呼ばれるようになったクセに、未だレグル文字も書けないのかと。  文字が全て刻み終わり、緑色の光で魔法陣が満たされていく。  ……来い。来い、美桜。  俺の、ところへ……!  やがて光が教室を満たし、そこに一つのシルエットが浮かび上がってくる。  それが見慣れた輪郭で、とても会いたくて、愛おしくて、抱きしめたかった形だとわかるまで、さほど時間はかからなかった。  光に包まれたその影が、全部実体化する前に、俺は手を差し伸べていた。     
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