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「真中先生は一年前、この部屋で自殺したの。見つけた時にはもう、手遅れだったわ……」
悲し気に目を伏せるみのりさんの言葉をかき消すように、私は叫んでいた。
「違う、私のせいなんです。連絡が取れなくなったその日に、ここに来ていれば。もっとちゃんと、部屋の中を探していれば……! 私が、父を殺したんです!」
みのりさんが慌てた顔で走り寄り、私を支えるように肩を抱いた。
「だから、今まで誰にも言えなかったの。本当のことが知られたら、この子は壊れてしまう。真中先生も調香師としてでなく自殺者として、世の中に名前が出てしまう。どうすればこの子が平穏に暮らせるか、わかるでしょう? あなたにも、知恵を貸してほしいの」
みのりさんの訴えを受けた葵さんは、無言でクローゼットに近づいた。いつもの穏やかさが微塵も感じられない無表情で、みのりさんを見ていた。
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