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本編
※ファンタジー世界。
男が普通に妊娠する世界観で且つそれについての説明をしていませんのでご注意ください。
--とある部下視点--
上級騎士にだけ認められた白馬に乗り騎士団は遠征に出発した。
国境付近で少々小競り合いがあったためだ。
俺を含め騎士団の半数ほどのメンバーはそれを見送った。
帝都に残るメンバーに騎士団の中でも実力があるとされたグレンさんが居た時点でおかしいと気が付くべきだったのかも知れない。
副長は帝都のメンバーを統括するために残った。
今にして思えば、副長が遠征に行って且つグレンさんが辞めた時にまとめ役が居なかったからなのだろう。
恐らく、副長は知っていた。
大問題になるかと思われたグレンさんの退役は、思いの外ひっそりと行われた。
正直、自分を含めた騎士団の殆どの人間が何故グレンさんが退役するのかと不思議だった。
副長からは何も無かったし、戦闘で怪我をした等と聞いた事も無い。
確かグレンさんはご両親を早くに無くしており、家業を継ぐ必要も無かったはずだ。
後輩としてそれなりにかわいがってもらっていたと自負している俺が退役の為の荷物の整理をしているグレンさんにそっと聞いた。
「何故、やめるのですか?」
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