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「グランフォレスト公爵令嬢オリヴィア・キャンベル、私と結婚を前提にお付き合いしていただきたい」
その場に跪き、恭しく私の手を取って、彼ははっきりとそう言った。
あまりにも突然のことだったから、その手を振りほどくことすらできなかった。
私の頭に浮かんだのは、たった一言。
――この人、誰?
なぜか見知らぬ男に求婚されている。
この状況を正しく把握するには、少しばかり記憶を遡る必要がありそうだ。
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